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フランチャイズ・システムに関する独禁法上の考え方
公正取引委員会の「フランチャイズガイドライン」の解説 
これは、平成14年4月24日公正取引委員会が改訂発表した フランチャイズ・システムに関する独禁法上の考え方 (通称:公正取引委員会の「フランチャイズガイドライン」)について、実務上の観点から分かりやすく説明したものです。
【 フランチャイズガイドライン策定・改訂の経過 】
昭和58年9月20日:策定公表
平成14年4月24日:改訂
平成22年1月1日:独占禁止法改正に伴い改訂
平成23年6月23日:中小小売商業振興法改正に伴い改訂
尚、本ガイドラインの「優越的地位の濫用」の定義は、公正取引委員会が平成22年11月30日に公表した 優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方ガイドライン に合わせて改訂がなされております。
1.はじめに
公正取引委員会は、平成14年4月24日に「フランチャイズガイドライン」を改訂・訂正を行なった背景を次のように述べています。
項 目 内 容
フランチャイズガイドライン改訂の背景 1. 昭和58年9月20日公正取引委員会は、フランチャイズガイドラインを策定・公表したが、下記の社会的背景を踏まえ、改訂を行なった。

2. 我が国においては、本部と加盟店から構成されるフランチャイズ・システムを用いる事業活動の形態が増加しているが、最近、従来の小売業、外食業のみならずサービス業など広範な分野において活用され、また当該市場における比重を高めつつある。

3. 今後も広範な市場の分野において、フランチャイズ・システムを活用して多くの事業者が新規参入し、当該市場における競争を活発なものとすることが期待できる。

4. その一方で、フランチャイズ・システムを用いる事業活動の増加に伴い、FC本部と加盟店間の取引において様々な問題が発生し、独占禁止法上の問題も指摘されることも少なくない。

5. 以上を踏まえ今回フランチャイズガイドラインの改訂を行なった。
2.公正取引委員会のフランチャイズに関する見解
フランチャイズ・システムに対する見解と、独占禁止法が適用される理由を下記の通り述べています。
項 目 内 容
一般的考え方(フランチャイズ・システムの定義、ガイドラインが対象とする事業等) 1. フランチャイズ・システムの定義は様々であるが、一般的には、本部が加盟者に対して、特定の商標、商号等を使用する権利を与えるとともに、加盟者の物品販売、サービス提供その他の事業・経営について、統一的な方法で統制、指導、援助を行い、これらの対価として加盟店が本部に金銭を支払う事業形態であるとされている。
本考え方は、その呼称を問わず、この定義に該当し、下記3.の特徴を備える事業形態を対象としている。

2. フランチャイズ・システムにおいては、本部と加盟店がいわゆるフランチャイズ契約を締結し、この契約に基づいて、本部と各加盟店があたかも通常の企業における本店と支店であるかのような外観を呈して事業を行なっているものが多いが、加盟店は法律的には本部から独立した事業者であることから、本部と加盟店間の取引関係については、独占禁止法が適用される。

3. フランチャイズ・システムにおける取引き関係の基本は、本部と加盟店との間のフランチャイズ契約であり、同契約はおおむね次のような事項を含む統一的契約である。

(1) 加盟店が本部の商標、商号等を使用し営業することの許諾に関するもの。
(2) 営業に対する第三者の統一的イメージを確保し、加盟店の営業を維持するための加盟店の統制、指導等に関するもの。
(3) 上記に間連した対価の支払いに関するもの。
(4) フランチャイズ契約の終了に関するもの。

フランチャイズ契約の下で、加盟店が本部の確立した営業方針・体制の下で統一的な活動をすることは、一般的に企業規模の小さな加盟店の事業能力を強化、向上させ、ひいては市場における競争を活発にする効果があると考えられる。

4. しかしながら、フランチャイズ・システムにおいては、加盟店は、本部の包括的な指導等を内容とするシステムに組み込まれるものであることから、加盟希望者の加盟に当たっての判断が適性に行われることがとりわけ重要であり、加盟店募集に際しては、本部は加盟希望者に対して十分な情報を開示することが望ましく、またフランチャイズ契約締結後の本部と加盟店との取引きにおいては、加盟店に一方的に不利益を与えたり、加盟店のみを不当に拘束するものであってはならない。

5. フランチャイズ・システムにおける本部の加盟店募集及びフランチャイズ締結後の本部と加盟店との取引きに関し、独占禁止法上問題とされる事項の例示は、以下(下記項目3.以降)の通りであるが、個々の本部の具体的活動が独占禁止法に違反するかどうかは事業ごとの判断を要する。
3.独禁法とFC本部の開示の義務ついて
特にフランチャイズの加盟店の募集に当たっては、中小小売商業振興法 との関係に於いて十分な開示を行なうよう注意を促しています。
項 目 内 容
本部の加盟店募集にあたっては…・・

注:「中小小売商業振興法」
昭和48年9月29日施行
平成19年6月1日最終改訂施行
平成23年6月23日優越的地位の濫用ガイドラインに合わせ改訂

「中小小売商業振興法」と「法定開示書面」の解説
1. 加盟店希望者の適性な判断に資するため、十分な情報開示が望ましい。

2. 加盟店希望者もフランチャイズ・システムの事業内容を自主的に十分検討を行なう必要がある。

3. 「中小小売商業振興法」で決められたFC本部の開示の義務については、独占禁止法違反行為を未然に防ぐ意味でも下記の事項が的確に開示されることが望ましい。

(1) 商品等の供給条件(仕入先の推奨制度等)
(2) 加盟店に対する指導の内容、方法、回数、費用負担
(3) 加盟時の金銭の性質、金額、その返還の有無と条件
(4) ローヤリティの算定方法、徴収の時期、徴収の方法
(5) 本部と加盟店の間の決済方法の仕組み・条件
(6) 本部による加盟店への融資の利率等
(7) 加盟店の損失に対する補償の有無及びその内容
(8) 加盟店が経営不振となった場合の経営支援の有無及びその内容
(9) 契約の期間並びに契約の更新、解除
(10) 中途解約の条件・手続き
(11) テリトリー制の有無とその内容

4. 予想売上、予想収益を提示する場合、類似した環境にある既存店の実績等根拠ある事実、合理的な算定方法等に基づき算定し、加盟店希望者に示す必要がある。

5. 加盟店希望者側も、フランチャイズ・システムに加盟するには、
次の点に相当程度留意する必要がある。
(1) 相当額の投資を必要とすること
(2) 当該事業を継続して行なうことを前提にして加盟交渉をすること
(3) 事業活動は、一般的な経済動向、市場環境に大きく依存すること

6.「中小小売商業振興法」は、契約締結前に一定の事項を書面で交付して説明することを義務付けているが、同様に独禁法違反行為を未然に防ぐ観点から、上記に掲げるような重要な事項については、十分検討を行なうための必要な期間をおいて、書面を交付して説明することが望ましい。
4.独占禁止法に抵触する部分の説明
1. 独占禁止法は次の三つの柱から成り立っています。公正取引委員会の独占禁止法 → こちらへ
(1) 独占の禁止(売り手または買い手が市場に一人しかいない状態。)
(2) カルテルの禁止(有力な業者が、価格・生産数量等共謀して市場を支配すること。)
(3) 不公正な取引き方法の禁止(取引き方法がフェアーでないこと。)
2. 上記の(3.)については、独占禁止法第2条9項4号(再販売価格の拘束)、同5号(優越的地位の濫用)、同6号 不公正な取引方法 の面において、公正取引委員会がその内容を指定しております。
3. 具体的には、フランチャイズガイドラインにおいては、次の項目が適用されます。
独占禁止法の項目 抵触する内容 具体的な例
不公正な取引方法


ぎまん的
顧客誘引
加盟店の募集の場合、十分な開示を行なわず、虚偽、若しくは誇大な開示を行い、実際の内容より著しく優良叉は有利と誤認させ、競争者の顧客を自己と取引きするように不当に誘引する場合。 (1) 予想売上、予想収益の額の算定根拠叉は算定方法が合理性を欠いていないか。また実際には達成できない額叉は達成困難である額を予想額として示していないか。

(2) ローヤリティーの算定方法に関し、ローヤリティーが実際よりも低い金額であるかのように開示していないか。(例えば、オープンアカウント制の場合は、その説明。)

(3) 自社のFCシステムの内容と他社の内容を、客観的でない基準により比較し、自社が優良叉は有利であるかのように開示していないか。(例えば、徴収するローヤリティーの額の比較。)

(4) FC契約を中途解約する場合、高額の違約金を徴収することを開示しているか。叉は徴収されないかのように開示していないか。
独占禁止法の項目 抵触する内容 具体的な例
独占禁止法








優越的地位
の濫用


優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方ガイドライン
1.FC本部の権利の濫用、FC本部がフランチャイズ・システムによる営業を的確に実施する限度を超えて正常な商習慣に照らして不当に加盟店に不利益となるような取引き条件を設定し、叉は取引きの条件若しくは実施について加盟店に不利益を与えていると認められる場合。
(但し、これらは個別具体的なフランチャイズ契約ごとに判断される。)
(1) 取引先の指定と制限
・商品、原材料等の注文先
・加盟店の清掃依頼先
・内外装工事の依頼先

(2) 仕入れ数量の強制
・ 商品、原材料の返品が認められないのに 、本部が仕入れ数量を指示、当該数量を仕入れさせる例。

(3) 見切り販売の制限
・ 品質が急速に低下する商品等の見切り販売を制限し、売れ残りとして廃棄させる例。
(注;CVSに於いては、廃棄ロス原価を負担したローヤリティーが発生するケースの例。)

(4)FC契約締結後の契約内容の変更・ 不利益な取扱いをする事を 示唆して新規事業の導入を余儀なくさせる例。

(5) 契約終了後の競業禁止
・ 本部の商権の維持、ノウハウの保護等に必要な範囲を超えて地域、期間叉は内容の禁止義務を課す例。
2.FC契約全体がこの「優越的地位の濫用」に該当する場合 (1)取扱い商品の制限、販売方法の制限・ 本部の統一ブランド・イメージを維持する範囲を超えて統制していないか。

(2)売上高のノルマ
・ 義務的であり、市場の実情を無視して過大で、代金を一方的に徴収していないか。

(3)FC契約の解約権と違約金
・ FC契約の解約権を与えず高額の解約違約金を課していないか。

(4) 契約期間
・ 投資回収期間を著しく超えたものになっていないか、叉は回収期間を下回っていないか。
独占禁止法の項目 抵触する内容 具体的な例
不公正な取引方法

10


12
抱き合わせ
販売等



拘束条件付
取引

1. 商品・原材料の業者指定

(1) これは、第10項「抱き合わせ販売等」に抵触する恐れがある。
・ 抵触するかどうかの判断基準は、行為者の地位、行為の範囲、相手方の数・規模、拘束の程度等を総合勘案して判断される。

(2) 同様に第12項「拘束条件付取引」に抵触する恐れがある。
・ 抵触するかどうかの判断基準は、行為者の地位、拘束の相手方の事業者関の競争に及ぼす効果、指定先の事業者間の競争に及ぼす効果等を総合勘案して判断される。
(1) 業者・仕入れ先の指定を行なっているFC本部は多い。指定を行なう背景は……
・顧客の立場に立った商品、メニュー、サービスレベルの品質の維持統一。
・チェーン全体で使用することによるマスメリットとコストダウン。
・その品質と特殊性が、FCノウハウを形成している。
・FC本部独自の調達先からの調達品であり、他社では供給出来ないものである。
・デリバリー機能も充実統一されており、配送コストも安く加盟店にメリットがある。
・商品、原材料の下加工が行われており、加盟店段階での扱いが楽で、加盟店のオペレーションコストを引き下げる要因にもなっている。等々

(2) 上記のようなFCシステム固有の合理的な理由があれば、独禁法に抵触する可能性は少ない。

(3) 要は、左記にある判断基準により判断される。
2. 加盟店が販売する商品・サービスの価格指定
・ 本部が加盟店に商品を直接供給していない場合であっても、これは第12項「拘束条件付取引」に抵触する恐れがある。
・ これについては、地域市場の状況、本部の販売価格への関与の状況等を総合勘案して判断される。
価格指定の問題は、

次の「再販売価格の拘束」の項を参照。
独占禁止法の項目 抵触する内容 具体的な例
独占禁止法









再販売価格
の拘束
1. 希望価格の提示
・ 統一的営業・消費者の選択基準の明示の観点から必要に応じて許される。

2. 再販売価格の指定
・ 販売価格の拘束は、本部が加盟店に商品を供給している場合、原則としてこの独占禁止法の「再販売価格の拘束」に抵触する恐れがある。
(1) FC本部が加盟店に対して再販売価格を指定することは、原則違法となる。
そこで実務上FC本部は、加盟店へは、推奨価格、希望価格等の名称で、違反にならないように留意すべきである。しかし価格統一を行なうメリットは大きく……
・ チェーンとしてのイメージの統一が可能。
・ フランチャイズパッケージが、ある一定の統一価格を前提にして成り立っている。
・ 消費者からの店舗選択の基準となり、顧客は一定の価格の下での同一商品とサービス享受の安心感を得られる。
・ 加盟店は、FC本部が設定した価格政策に従うことにより、経営上の安定と収益が確保出来る。等々

(2) チェーンによっては、完全に加盟店に自由な価格を設定させているFC本部もある。

(3) 要は、再販問題は原則違法だが、希望価格の提示は、上記に触れたメリットのからみのなかで、必要に応じて許されると考えられる。
フランチャイズ本部事業者の皆さんへ!
平成22年1月1日独占禁止法改正に伴い、課徴金制度が導入されました。
フランチャイズパッケージの構築や契約において、灰色の部分を感じる際には、
必ず事前に公正取引委員会に相談をすることをおすすめします。
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